クレーン車や大型建設重機での公共・民間の山留工事になります。
打込・引抜工事
アボロン杭打機とは、ラフタークレーン又はテレスコピッククレーンのブーム先端に、リーダーを取付けオーガースクリュー・モンケンを装着した併用型杭打機です。
代表的な工法である削孔注入工法は、オーガースクリューによって地山を削孔し、所定深度確認後、減速機に取り付けてあるスイベルを介し、スクリューヘッド先端より孔壁安定液として必要に応じたセメント系懸濁液を注入しながらスクリューを引上げます。
スクリュー引上げ完了後、杭材(H形鋼等)を削孔穴に挿入し、各種山留杭・支持杭を打設する工法です。
アンギラス杭打機とは、ベースマシンにリーダーを装着していない杭打機の総称です。各種ベースマシン(ラフタークレーンベース、油圧ショベルベース)とアタッチメント(アースオーガー、バイブロハンマー、油圧圧入機等)の組み合わせにより各種施工方法があり、地盤条件・施工条件等により機種を選定します。
ラフタークレーンベースのリーダーレス杭打機(アンギラス杭打機)は減速機及びスクリューヘッドのみの構成のため、リーダーを装備しているアボロン杭打機に比べて作業半径を大きく取る事ができます。また、油圧ショベルベースの杭打機(RX、LHV等)はベースマシンのブームの押込力・引抜力を利用した杭打抜工事を行います。
地中障害撤去
ここでいうコアケーシング工法とは、杭打機のフロントアタッチメントにケーシング・オーガーを装着し、既存杭(PC杭、松杭)及び既存障害等を局部的に撤去する工法です。
ケーシング先端に超鋼ビットを取付け、既存杭周囲や地中障害を所定の深度まで切削し、既存障害とのフリクションをカットします。
既存障害と周面の地山および構造物との縁が切れた段階でケーシングを引き上げ、既存障害を撤去した後に、削孔箇所を良質土で埋め戻します。
本工法は、アボロン杭打機・FP杭打機・小型・中型・大型三点式杭打機による施工が可能であり、新設山留・新設杭施工のための、旧構造物撤去工事に用いられます。
二本構多滑車引抜機とは、油圧式クレーンのブーム先端に複数の多滑車を装備した二本構リーダーを取付けた無騒音、無振動型の杭引抜機です。
クレーン本体のウインチ能力を複数の多滑車を介す事で引抜力を増大させています。
引抜工事は予めバイターが掴める程度引抜く杭の頭部を掘出し、十分反力の取れる安定した場所リーダーを設置します。
杭頭部をバイターで掴んだ後、引抜機のウインチを巻いて杭と地盤との摩擦をカットしながら引上げ、腰が切れた事を確認した後に補巻フック或いは相番クレーンにて完全に引上げます。
自走式杭圧入引抜機とは鋼矢板の圧入・引抜を行うための、油圧式小型・軽量機械で,他の工法に比べ最も効率良く、施工性・安全性・周辺環境へ与える影響等に優れた工法です。
一般的な圧入施工は自走式圧入引抜機のチャック部へ相番クレーンにて鋼矢板を吊り込みウェブを掴みながら、機械の上下方向のストロークで地中に圧入(引抜)を行います。鋼矢板を所定のレベルまで圧入した後、打設終了した鋼矢板の頭部を専用のチャックで掴み水平方向へ移動(スライド)し、圧入→移動を1枚ずつ繰り返して連続的に施工します。
また、直接圧入施工が困難である地盤への打設についてはウォータージェットを併用した補助工法を用いた圧入施工も可能です。
バイブロハンマー工法は、最も一般的な直接打撃工法で、起振力を発生するバイブロハンマー本体をクレーンで吊下げ、バイブロハンマーの油圧チャック部で杭材を掴み、振動力を杭に加え打設杭の周辺摩擦力・先端抵抗力を低減させて地中に貫入させる工法です。
打設杭の仕様に応じた機種の選定が可能で電動式と油圧式のタイプがあり、どちらにも振動・騒音に配慮した機種があります。またバイブロハンマー単独での施工が困難である硬質地盤への打設は、ウォータージェットを併用させた補助工法を用いて施工を行います。
ダウンザホールハンマー、ノバルハンマーとは岩盤・転石層などの硬質地盤を対象に、基礎工事または仮設工事用の杭打施工に適用するもので、コンプレッサーからのエアーでハンマーピストンを往復運動させ、先端ビットの衝撃力で岩盤を掘削する工法です。
ベースマシンはリーダーを装備したラフタークレーン・クローラークレーンとなり、ダウンザホールハンマーはロッド先端にハンマーを取付け、粉塵化した岩盤の排出はエアーブローにて行います。
ノバルハンマーはハンマーヘッドにスクリューを装着しているため、先端のビットによる岩盤破砕とスクリュー削孔を繰り返し、排土します。